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☆ココハナ2014年7月号 アシガール第三十戦☆

アシガール30-1






側室 ふきのところへ夕餉のために若君が訪れた

ふき 「若君様 ご無事のお帰りうれしゅうござりまする
    ふきは・・・ふきは心よりお待ち申し上げておりました」

若君 「・・・・・ああ」

ふき 「矢傷を負われお行方知れずと聞きまして
    ふきはこの胸のつぶるる思いで日々を暮らしておりました」

若君 「それは・・・ すまぬことであった」

ふき 「されど ふきは信じておりました 若君様は必ずや生きておわすと」

若君 「・・・うん」

ふき 「ふきは その思いを歌に詠み文を書きましてござりまする
    その文がここに・・・やっと若君に読んでいただけまする」

ふきのうしろに控えていた侍女がうやうやしく差し出したおぼんの上には山のような文が―――


アシガール30-2



翌朝 宿直(とのい)が終わった小平太が黒羽城門から出てくる

門番 「ご苦労様にござりまする」

小平太「うむ」

  「小平太さま~~~~」

小平太「唯之助  一晩中ここにおったのか」

  「夕べは夜勤・・・じゃなくて宿直(とのい)だったんでしょ?
    若・・・若君は鐘ヶ江の部屋に行かれたんですか?」

小平太「それがどうした」

     唯;((じゃあ本当に!?))

  「ど…どんな感じでした? お泊り…したの? 若君の様子は? めんどくさそーでした?」

小平太「たわけ!! 主の睦言を詮索しようなど 無礼であろう」

  「むつごと・・・・って何!? すっごく縁起の悪い響きだけどっ」

     唯;((私は 林 唯之助 勝馬 名前をもらってそこそこ出世したけど
      所詮 足軽なので屋敷の中には入れない  若君様何やってんだろ・・・
      『今宵参る そう伝えよ』 なんて言ってたし))



アシガール30-3


おふくろ様「私は明日にも梅谷村へ帰ろうと思うておるのじゃ
    そのようにふてくされていてはなりませぬ」

  「え―――帰っちゃうの? ここに居る方が楽だし食べる物にも困らないし
    三之助たちも楽しそうじゃない」

おふくろ様「そういうわけにはゆきません いつまでも天野様のご厚情に甘えてはおれぬ」

  「私も一緒に帰ろうかなー」

おふくろ様「何を申す お前は若君にお仕えするのではないのか」

     唯;((そりゃ 私だって少しでも若君の側にいたいけど
      初恋の人が 夜は側室の部屋に行くんです―― なんて女子高生は私ぐらいだろ
      さすがにこれはヘコむわ―――))

部屋からボーッと庭を見ていた唯 その時何やらボソボソと聞こえてきた

  「ん? 話し声?」

庭に出て声がする方へ歩いていく

  「確か こっちのほうから」

すると突然 植え込みの中から手が出てきて ぐいっと引っ張り込まれた

  「!?  !!


アシガール30-4


若君 「信近がおる」

  「・・・・・あ」

     唯;((天野おやじ・・・と おふくろ様!?))

信近 「なにもそう急いで帰ることもなかろう 子らもようやくなじんで来た所じゃ」

おふくろ様「いいえ それはいけません」

信近 「吉乃殿 ちと立ち入った事をたずねるが こなたの物言い立居ふるまいを見るに
    百姓の後家とは思えぬ 親はどういう素性の者でござるか」

おふくろ様「・・・はい 父は先代の御殿様の下にて足軽大将を務めました木内保正
     十二の歳に戦で父を亡くしまして 知人を頼って母と共に梅谷村に行きました」

信近 「おお やはり! やはりそうであたか! ・・・・・・吉乃殿
    わしは生来の無骨者 三年前に妻を亡くして以来ひとり身じゃ」

おふくろ様「はあ・・・」

信近 「こなたの様な方に側におってもろうたら う…嬉しい…と思うのじゃが」

  「はあ?」

     唯;((天野のおやじがおふくろ様に告った!!))

おふくろ様「いいえ 私などがそのような・・・」

     唯;((そして ソッコーふられた!!))

信近 「ま…まあ ともかくそう急いで帰ることもあるまい 考えてみてくれ」

若君 「ぷ・・・ 驚いたの あの堅物が ハハハ」


アシガール30-5

    
若君 「ところで唯 今日は何故来なかった?」

  「えっ だって若君もいろいろ…忙しそうだったから」

     唯;((鐘ヶ江めのこと考えると顔見るのが辛くて))

若君 「遠乗りに出ると申したではないか 具合でも悪いかと思うて着てみたのじゃ」

  「いえ 大丈夫です」

若君 「ならばよい」

     唯;((それで心配して来てくれたんだ 
       でも 夕べは鐘ヶ江の所で 今夜はここに来るって どーよそれ いいかげんふたまた
       あ でももしかしたらふたまたも何も 私のことはそういう対象には見ていないのかも…))

若君 「やはりどうも様子がおかしいの 今宵はこれで帰ろう」

  「あ・・・ 私っ・・・ 若君が鐘ヶ江の所に行くの嫌だー  嫌なのだ――」

若君 「わかった ・・・そうか」


アシガール30-6


若君 「あれは… 人違いであった 昨夜はそれを話しに行っただけじゃ」

  「人違い??」

そのとき 天野邸があわただしくなって 声が聞こえてきた

小平太「父上!! お城よりお召しがかかってござる!! 小垣より早馬が参っております
    また戦になるやもしれません!!」


アシガール30-7

【第三十一戦へ続く・・・】
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